前歯の矯正について
前歯がきれいにそろっていると笑顔が美しく見え、見た目の印象も大きく変わります。そのため前歯の歯並びだけを矯正したいと考えている人も珍しくはありません。今回は前歯だけを矯正できる「部分矯正」について解説します。
前歯の部分矯正のメリット
矯正といえば歯列全体を治療するイメージがありますが、前歯などの一部分だけを矯正する方法もあります。それが「部分矯正」です。部分矯正には、次のようなメリットがあります。
- 矯正期間が短い
- 全体矯正とは違い動かす歯が一部分だけなので、短い治療期間で矯正できます。一般的に全体矯正が1~3年ほどかかるのに比べ、部分矯正は3~10か月ほどで治療が終わります。
- 矯正費用を抑えられる
- 上記のように治療期間が短く、矯正器具も部分用で小さいため、費用をかなり抑えられます。全体矯正だと100万円以上かかることもありますが、部分矯正の一般的な相場は15~60万円ほどです。
- 違和感や痛みが少ない
- 矯正器具を装着するのも一部だけなので、痛みや違和感が比較的少ない傾向にあります。日常生活の食事や会話などに影響がでにくく、全体矯正と比較して負担をかけずに矯正できます。
全体矯正や抜歯が必要なケースも
先述したようにメリットの多い部分矯正ですが、適応範囲が限られています。歯列の状態によっては、前歯だけではなく歯列全体の矯正や抜歯による治療計画が必要になる場合があります。部分矯正が適応される症例は、以下のような場合です。
- ・軽度の乱杭歯:歯列がでこぼこしている
- ・軽度の出っ歯:前歯が前方に向かって生えている
- ・軽度の受け口:下の歯が上の歯よりも前に出ている
- ・すきっ歯:歯と歯の間に隙間がある
- ・開咬(オープンバイト):口を閉じても上の歯と下の歯の間に隙間がある
噛み合わせが大きくずれていたり、歯列が大きくでこぼこしていたりすると、部分矯正による治療は難しくなります。たとえ前歯の歯並びだけを整えたくても、歯列全体の矯正が必要となります。
前歯の矯正は歯科医に相談しよう
前歯の部分矯正は低価格・短期間で矯正ができるなどメリットが多い治療方法ですが、部分矯正ができる症例は限られていることから、多くの場合は全体矯正や抜歯が必要になります。歯科医が一人ひとりの歯列の状態を確認して治療計画を立ててくれるので、まずは相談してみましょう。