床矯正後の保定期間と注意点について
矯正治療は、矯正装置を取り外したら「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着しなければいけません。リテーナーは矯正した歯が戻らないように固定するものです。しかし、いつまで装着すればよいのかわからないと不安になってはいないでしょうか?
本コラムでは、床矯正後の保定期間や注意点について紹介します。
床矯正の保定期間はどのくらい?1日の装着時間も確認しよう
床矯正の保定期間は通常1~3年といわれています。この期間は、担当歯科医師から指示があるまでリテーナー(保定装置)をつけていなければいけません。保定装置を装着する期間の目安としては、矯正装置をつけていた期間と同じです。また、個人差はありますが、最低6ヶ月は1日の装着時間を20時間以上にする必要があります。取り外せるタイプのリテーナーの場合でも、後戻りを防ぐために、食事や歯磨きの時間以外は装着するようにしましょう。
床矯正の保定装置「リテーナー」の種類とお手入れ方法
リテーナーの種類は可撤式(かてつしき)と固定式の2つです。可撤式とは、取り外しができるリテーナーを指し、マウスピースタイプやホーレータイプ、ベッグタイプの3種類に分類されます。
可撤式は食事や歯磨きのときに取り外せるのが特徴です。お手入れの際は、柔らかい歯ブラシで丁寧にブラッシングし、水ですすぎましょう。このとき、歯磨き粉や熱湯の使用、煮沸消毒は避けてください。歯磨き粉を使用すると、研磨剤によってリテーナーに細かい傷がつき、菌が繁殖する原因となります。また、熱湯の使用や煮沸消毒ではリテーナーの変形が起きるため、消毒したい場合はリテーナー専用の洗浄剤を使用しましょう。
一方、固定式とは、一度装着したら簡単に取り外しができない「フィックスリテーナー」「リンガルリテーナー」などを指します。お手入れの際は、歯ブラシや歯間ブラシなどを使い、汚れを取り除きましょう。また、定期的に歯科でメンテナンスしてもらうと、虫歯や歯周病などを防ぐのに効果的です。
保定期間の注意点に気をつけて矯正を成功させよう
床矯正を成功させるためには、医師の指示どおりにリテーナーを装着する必要があります。リテーナーの装着忘れが続くと、再びリテーナーを装着する際に痛みが生じます。これは矯正した歯の後戻りが起きてしまい、リテーナーが合わなくなっているからです。リテーナーが装着できなくなってしまうと、リテーナーの作り直しが必要になります。後戻りの状態によっては、矯正治療をやり直す必要もあるため注意が必要です。
また、歯ぎしりをしたり強い衝撃を与えたりすると、リテーナーが破損する原因になります。床矯正の保定期間中は、毎日正しくメンテナンスをしたリテーナーを装着するよう、十分に気をつけて生活しましょう。
- Q.1 床矯正のリテーナーは自由に選べる?
- A.1 リテーナーにはいくつか種類がありますが、自由に選べるわけではありません。かみ合わせの状態に合うものを医師が選びます。ただし、患者さんの意見も取り入れて、目立ちにくいものや取り外せるタイプにしてもらえます。まずは医師に相談してください。
- Q.2 床矯正は大人もできる矯正方法?
- A.2 一般的には小児歯科で採用される矯正方法ですが、大人でも床矯正が可能なケースもあります。顎の骨を拡大し、歯が重ならないように並ぶスペースを作ると、抜歯せずに歯列矯正できます。興味のある方は医師に相談しましょう。