マルチブラケット矯正に必要な通院回数と早く終わらせるコツ
マルチブラケット矯正は治療期間が長くなるため、「通院回数も多くなるのでは?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、マルチブラケット矯正に必要な通院回数の目安について解説します。
「できるだけ通院回数を減らして、早く矯正を終えたい」という方にとって役立つ情報をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
マルチブラケット矯正に必要な通院回数
マルチブラケット矯正における通院の間隔は、1か月に1回が目安です。毎月通うのは、歯科医師がワイヤーの調整をする必要があるためです。
マルチブラケット矯正の治療期間は約2年を見込むことが多く、その間に必要な通院回数は単純計算で約24回です。ただし、矯正の進行状況によって通院頻度は多少前後します。
歯の移動がスムーズな場合は6週間に1回程度に延長できることもあれば、細かい調整が必要な場合には3週間間隔での通院が必要になることもあります。
通院間隔の調整は、治療の精度と安全性を保つために不可欠です。患者さまご自身のご協力と定期的な受診が矯正治療の成功を大きく左右します。
なぜマルチブラケット矯正は時間がかかる?
マルチブラケット矯正に時間がかかるのは、歯の移動に「骨の再生力」を利用しているためです。
歯を支えている「歯槽骨(しそうこつ)」という骨にゆっくりと力を加えることで、骨が少しずつ壊され、再びつくられる(再形成される)という仕組みを利用して歯を動かしています。
このため、歯が動くスピードはとてもゆっくりで、1か月におよそ1mm程度が目安です。
もし短期間で歯を動かそうと過剰な力をかけると、歯茎が下がって歯が不安定になるリスクがあります。
従って安全に矯正するためにも、一定の期間をかけて慎重に進めなければなりません。
マルチブラケット矯正で歯が動く仕組みについてより詳しく知りたい方は、以下のコラムをご参考にしてください。
マルチブラケットでどうして歯が動くの?仕組みを解説
マルチブラケット矯正を早く終わらせるコツ
マルチブラケット矯正で治療期間の短縮をするには、いくつかのコツがあります。マルチブラケット矯正を早く終わらせるコツについて見ていきましょう。
口腔ケアを徹底する
矯正中に虫歯や歯周病を発症すると、治療を一時中断する必要があり、結果として矯正期間が延びてしまいます。特に矯正中は歯ブラシが隅々まで届きにくいことや、唾液の循環が少なくなることで細菌が繁殖しやすい環境になるため、虫歯や歯周病の発症リスクが高まります。
従って、日々の歯みがきを徹底して口腔内を清潔に保つことが大切です。また、定期的な歯科医院でのクリーニングも併用するとより効果的です。
マルチブラケット矯正中の口腔ケアについては、以下のコラムもご参考にしてください。
マルチブラケット矯正で口臭や虫歯を防ぐ方法
食事に気をつける
装置の破損を防ぐためにも、マルチブラケット矯正中は食事内容に注意が必要です。硬いものや粘着性のある食べ物は装置の脱落や変形リスクがあり、治療が遅れてしまうケースがあります。
また、虫歯のリスクを下げるために糖分の多い食事を避けたり、歯に挟まりにくい食べ物を選んだりすることも効果的です。装置のトラブルによって治療が遅れないように、食事内容にも気を配りましょう。
マルチブラケット矯正中の食事については、以下のコラムもご参考にしてください。
マルチブラケットで食べられるものと食べられないもの
生活習慣を見直す
生活習慣は矯正治療の進行に影響を与えます。例えば、頬杖をつく、うつ伏せで寝る、舌で歯を押すなどの癖が挙げられます。
特に、舌で歯を押す行為は、上顎の前歯が突出する「上顎前突」につながるため、早めに改善することが大切です。生活習慣を見直す際は、まず自分にどのような癖があるのかを意識する必要があります。
これらの習慣を見直し、正しい姿勢や癖を意識することで、治療期間の短縮につながります。
新陳代謝を向上させる
マルチブラケット矯正で歯が動くスピードには、個人の新陳代謝も関係しています。新陳代謝が高いと、歯を支える骨の破壊と再形成を促せるため、効率的に歯が移動します。
特に、成長期にある方は新陳代謝が高く、正治療がスムーズに進みやすいのが特徴です。新陳代謝を高める方法としては、バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動などが挙げられます。
このような健康的な生活を意識することで、矯正治療をよりスムーズに進められるでしょう。
ルールを守る
マルチブラケット矯正を計画通りに進めるためには、決められたルールを守ることが大切です。指示通りの頻度で通院することはもちろん、トラブルがあった際は速やかに医師に相談しましょう。
こうした基本的なルールを守らなければ、治療の遅れにつながり、結果として矯正期間が長引きます。特に未成年の場合は、本人だけでなく保護者の協力も大切です。
ルールを正しく守って、より素早く理想の歯並びに近づけましょう。
信頼できる歯科医院を選ぶ
矯正治療を早く終わらせるためには、歯科医院選びも大切です。治療方針や患者さまへのアドバイスなど、歯科医院によって対応は異なります。
また、通院を続けやすいかどうかを考えるうえで、次のようなポイントも大切です。
たとえば、通いやすい立地にあるかどうか、予約が取りやすいか、そして万が一トラブルがあったときに、すぐに対応してもらえる体制が整っているかなどです。
治療期間を短縮するためにも、複数の医院を比較し、自分に合った歯科医院を選択しましょう。
Q1:矯正中に痛みを感じる場合はどうすればいいですか?
A1:刺激を避けるために、可能な限り柔らかく、常温に近い食べ物を選ぶことが大切です。また、痛みが強い場合は、歯科医院で処方される痛み止めの服用も検討しましょう。
以下のコラムもご参考にしてください。
矯正治療中の食事で痛みを感じるときの注意点と対処法
Q2:マルチブラケットが外れてしまったらどうしたらいいですか?
A2:マルチブラケットが外れた場合は、速やかにかかりつけの歯科医院に連絡しましょう。外れた部位や原因、痛みの有無などを伝えて、歯科医師の指示を受けることが大切です。
以下のコラムでも詳しくご紹介しているため、ぜひご覧ください。
マルチブラケットが外れてしまった!そんな時はどうする?