矯正期間を短くする方法とは
矯正治療にかかる期間は、2〜3年程度が一般的です。矯正期間の長さから治療を迷われる方もいるでしょう。近年では「光加速矯正装置(オーソパルス)」を使用し、矯正期間を短くする治療方法があります。
本コラムでは、オーソパルスの仕組みや使用方法、注意点を解説します。矯正期間の長さが気になる方はぜひご参考にしてください。
矯正期間を短くする「光加速矯正装置(オーソパルス)」の仕組み
オーソパルス(オルソパルス)とは、カナダのバイオラックスリサーチ社が開発し、2015年の秋にFDA(米国食品医薬品局)の認証を受けた機器です。光加速矯正装置とも呼ばれ、矯正期間を短くする装置として利用されています。
矯正治療では、歯を支える骨や組織に圧力がかかり、細胞の働きが一時的に弱まります。オーソパルスは近赤外線光を歯の周辺組織に照射し、細胞エネルギーを活性化させて弱った細胞にアプローチすることで、矯正治療のスピードを加速させる仕組みです。また、歯周辺の組織を活性化するため、痛みを軽減しながら治療できるメリットもあります。
オーソパルスの使用方法と注意点
オーソパルスは手のひらサイズの装置です。使い方は簡単で、マウスピース矯正装置などを装着したままオーソパルスを咥え、近赤外線光を照射します。使用時間は1日10分で、上顎と下顎で約5分ずつの照射が必要です。
以下は、オーソパルスで矯正期間を短くする際の注意点です。
・毎日使用しなければならない
・バッテリーが切れると使用できない
オーソパルスは1日1回の使用が必須であり、毎日使用しなかった場合は十分な効果が得られません。また、バッテリーが切れると使用できないため、忘れずに充電をしましょう。オーソパルスはアプリによる管理が可能で、オーソパルスの使用状況やマウスピースの交換時期もチェックできます。矯正中のサポートとしても利用できる機器です。
オーソパルスによる矯正期間の短縮には個人差があります。治療内容によっても矯正期間は変わるため、気になる方は歯科医院でご相談ください。
Q1:矯正を早く終わらせるために心がける点はありますか?
A1:矯正期間を短くするためには、矯正器具を正しく使用し、定期的に通院しケアを怠らないようにしましょう。また、矯正中に虫歯や歯周病になると矯正をストップするケースもあるため、セルフケアも入念に行いましょう。
Q2:オーソパルスが使えない矯正器具はありますか?
A2:オーソパルスはマウスピース矯正で使用されるケースが多いですが、矯正器具の種類に限らず使用できます。
記事監修 医療法人祐愛会「西村歯科」 西村 有祐
■ 略歴
- 日本歯科大学新潟歯学部 卒業
■ 所属学会・資格
- 日本口腔インプラント学会JSOI専修医
- 日本訪問歯科協会認定医
- 日本歯周病学会 会員
- 日本障害者歯科学会 会員
- 日本訪問歯科協会 会員
- 日本歯科保存学会 会員
■ 著書
- 『よみがえる青春のかみごこち』 国際臨床出版社
- 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューの進め方』 日本訪問歯科協会
- 『訪問歯科診療 アドバンスプログラム』DVD内著書 日本訪問歯科協会
- 『補綴とデンチャーへのリマインダー』DVD教材収録 日本訪問歯科協会



