矯正治療中にやってはいけないこととは?生活・食事・歯磨きの注意点をわかりやすく解説
矯正治療を成功させるためには、歯科医院での治療だけでなく、日常生活での過ごし方が非常に重要です。
矯正装置を正しく扱い、口腔内を清潔に保ち、生活習慣に注意することで、治療期間の延長やトラブルを防ぎ、理想的な歯並びに近づくことができます。
特に意識すべきポイントは、次の3つです。
・装置を壊さない食生活を心がける
・虫歯・歯周病を防ぐための丁寧な歯磨きを行う
・日常生活で装置に負担をかけない行動を避ける
これらを守らずに過ごしてしまうと、矯正装置の破損や脱落、虫歯・歯周病の発症、噛み合わせの悪化などが起こり、治療計画の見直しや治療期間の延長につながる可能性があります。
場合によっては、追加費用が発生したり、十分な治療効果が得られなくなったりすることもあります。
一方で、矯正治療中の注意点を正しく理解し、日常生活の中で意識して行動できれば、治療はよりスムーズに進みます。
痛みや違和感を最小限に抑えながら、歯並びだけでなく噛み合わせや口腔環境まで改善することが可能です。
矯正治療は「歯を並べる治療」ではなく、将来の歯と健康を守るための治療です。
だからこそ、治療期間中の過ごし方が、仕上がりと将来の口腔環境を大きく左右します。
矯正治療中はなぜ注意が必要なのか?
矯正治療は、歯に力を加えて少しずつ動かす治療です。
そのため、治療期間中は歯や歯ぐき、矯正装置がデリケートな状態になります。
・強い力がかかると装置が壊れる
・清掃不足で虫歯や歯周病が進行する
・トラブルが起こると治療が中断される
結果として、治療期間が延びたり、理想的な歯並びが得られなくなったりする可能性があります。
矯正治療中に起こりやすい症状と対処法
矯正治療を始めると、歯や口の中にこれまで経験したことのない変化が起こります。
痛みや違和感、口内炎、噛みにくさなど、さまざまな症状に不安を感じる方も少なくありません。
しかし、これらの症状の多くは、歯が動いている証拠として現れる一時的なものです。
正しい知識を知っておくことで、過度に心配せず、落ち着いて対処できるようになります。
矯正開始直後の痛みは正常?
矯正装置を装着した直後は、多くの人が痛みや違和感を覚えます。
一般的な経過は以下の通りです。
・装着後2〜3日:痛みがピーク
・1週間前後:徐々に軽減
・10日前後:ほとんど気にならなくなる
これは歯が動き始める際に起こる正常な反応です。
ただし、強い痛みが長く続く場合は、自己判断せず歯科医院に相談しましょう。
※鎮痛剤については、歯科医師の指示に従って使用することが大切です。
顎関節症の症状が出ることはある?
矯正治療中に、顎の痛みや違和感を覚えることがあります。
原因として考えられるのは、
・噛み合わせの変化
・歯ぎしり・食いしばり
・ストレス
などです。
・口が開けにくい
・顎が痛む
・音が鳴る
といった症状がある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
矯正治療中の食事の注意点
矯正治療中は、歯だけでなく矯正装置にも大きな負担がかかります。
そのため、普段何気なく食べている食べ物が、装置の破損や治療の遅れにつながることがあります。
特に、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は、ワイヤーやブラケット、マウスピースにダメージを与えやすく、注意が必要です。
装置が外れたり変形したりすると、再調整が必要になり、治療期間が延びてしまう可能性もあります。
また、食べ物の選び方によっては、虫歯や歯周病のリスクが高まることもあります。
矯正治療を順調に進めるためには、「何を食べるか」だけでなく「どのように食べるか」を意識することが大切です。
ここでは、矯正治療中に避けたほうがよい食べ物と、安心して食べやすい食事のポイントについて、わかりやすく解説します。
避けたほうがよい食べ物
矯正装置を守るため、以下の食べ物は注意が必要です。
【硬いもの】
・せんべい
・ナッツ
・氷
・硬いフランスパン
【粘着性の高いもの】
・ガム
・キャラメル
・お餅
【着色しやすいもの】
・カレー
・コーヒー
・赤ワイン
これらは装置の破損や着色の原因になります。
食事の工夫ポイント
矯正治療中は、食べ方を工夫することでトラブルを防げます。
・食べ物を小さく切る
・前歯で噛み切らない
・片側だけで噛まない
・食後は早めに歯磨きする
こうした習慣が、装置の破損や虫歯予防につながります。
矯正治療中の歯磨きの注意点
矯正治療中は、通常よりも丁寧な歯磨きが求められます。
なぜなら、矯正装置の周囲には食べかすや歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが大幅に高まるからです。
特に、ワイヤーやブラケット、マウスピースの隙間は歯ブラシが届きにくく、磨き残しが発生しやすいポイントです。
そのまま放置すると、気づかないうちに虫歯や歯周病が進行してしまうこともあります。
さらに、矯正治療中に虫歯ができてしまうと、単なる口腔トラブルにとどまりません。
治療計画そのものに影響を与え、
・矯正治療を一時的に中断しなければならない
・治療期間が予定より長引く
・歯の状態によっては、仕上がりに影響が出る
といったリスクが生じます。
矯正治療をスムーズに進め、美しい歯並びを確実に手に入れるためには、正しい歯磨き習慣が欠かせません。
なぜ歯磨きが重要なのか?
矯正装置の周囲は汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
虫歯ができると、
・矯正治療を中断する必要がある
・治療期間が延びる
・仕上がりに影響する
といった問題が生じます。
効果的な歯磨き方法
矯正治療中は、以下のアイテムを活用すると効果的です。
・ヘッドの小さい歯ブラシ
・歯間ブラシ
・ワンタフトブラシ
・デンタルフロス
ポイントは、
「装置の周囲を意識して磨くこと」です。
矯正治療中の日常生活の注意点
矯正治療中は、食事や歯磨きだけでなく、日常生活の過ごし方にも注意が必要です。
何気ない習慣や行動が、矯正装置の破損や歯への負担につながり、治療の進行に影響を与えることがあります。
特に、スポーツや楽器演奏、無意識の癖などは、矯正装置に大きな負荷をかけやすい要因です。
装置が破損したり、歯に過剰な力がかかったりすると、痛みが生じるだけでなく、治療計画が予定通りに進まなくなる可能性もあります。
また、装置のトラブルが起こると、通院回数が増えたり、追加の治療費が発生したりするケースも少なくありません。
そのため、矯正治療をスムーズに進めるためには、日常生活の中で注意すべきポイントをあらかじめ理解しておくことが重要です。
ここでは、矯正治療中に特に気をつけたい日常生活のポイントを、具体例とともに解説します。
スポーツ時の注意
激しいスポーツを行う場合は、マウスガードの使用が推奨されます。
装置が破損すると、
・痛みが出る
・治療計画が遅れる
・追加費用が発生する
可能性があります。
習慣によるトラブル
以下の行動は、装置に負担をかけます。
・硬いものを前歯で噛む
・装置を触る
・爪を噛む
・ペンを噛む
無意識の癖も、矯正治療の妨げになります。
矯正治療中によくある質問(FAQ)
Q1. 矯正中にお酒やコーヒーは飲んでも大丈夫?
基本的には問題ありませんが、着色や虫歯リスクに注意が必要です。
飲食後は早めの歯磨きが理想です。
Q2. 矯正中に痛みが強い場合はどうすればいい?
痛みが数日以上続く場合は、歯科医院に相談しましょう。
自己判断で放置するのは避けるべきです。
Q3. マウスピース矯正でも注意点は同じ?
基本的な注意点は共通ですが、
マウスピース矯正では「装着時間」が特に重要です。
まとめ|矯正治療は「日常生活の意識」で結果が変わる
矯正治療は、歯科医院の治療だけでなく、日常生活の過ごし方によって結果が大きく変わります。
・正しい食生活
・丁寧な歯磨き
・装置を守る行動
これらを意識することで、矯正治療をより安全に、効率的に進めることができます。
違和感や不安がある場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
記事監修 医療法人祐愛会「西村歯科」 西村 有祐
■ 略歴
- 日本歯科大学新潟歯学部 卒業
■ 所属学会・資格
- 日本口腔インプラント学会JSOI専修医
- 日本訪問歯科協会認定医
- 日本歯周病学会 会員
- 日本障害者歯科学会 会員
- 日本訪問歯科協会 会員
- 日本歯科保存学会 会員
■ 著書
- 『よみがえる青春のかみごこち』 国際臨床出版社
- 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューの進め方』 日本訪問歯科協会
- 『訪問歯科診療 アドバンスプログラム』DVD内著書 日本訪問歯科協会
- 『補綴とデンチャーへのリマインダー』DVD教材収録 日本訪問歯科協会



