矯正すると横顔はきれいになる?マウスピース矯正の変化
マウスピース矯正、特にインビザラインなどの治療法は、歯並びを整えるだけでなく、横顔の印象を改善する効果も期待できます
主な理由は下記のとおりです。
・突出した口元が下がり、すっきりとした印象になる
・噛み合わせ改善でエラの張りが目立ちにくくなる
・唇が自然に閉じやすくなり、口周りの緊張が和らぐ
また、下記の特徴を持つ人は、特に変化を感じやすいといえるでしょう。
・前歯が大きく前に出ている「出っ歯(上顎前突)」の人
・下の顎が前に出ている「受け口(反対咬合)」の人
・歯を並べるスペース確保のために抜歯が必要な人
この記事では、マウスピース矯正が横顔にどのような変化をもたらすのか、そのメカニズムや注意点について詳しく解説します。
口元の突出感が改善され、Eラインが整う可能性がある
マウスピース矯正によって前歯の傾きや位置が修正されると、口元の突出感が和らぎます。
特に「口ゴボ」と呼ばれる口元が前に出ている状態は、歯を後方に下げることで大きく改善されることがあります。
これにより、鼻先と顎先を結んだEライン(エステティックライン)の内側に唇が収まりやすくなり、理想的なバランスに近づきます。
結果として、横顔のシルエットが美しく整い、フェイスラインもシャープな印象に変わることが期待できます。
歯を抜く矯正(抜歯矯正)はより大きな変化を期待できる
歯を並べるスペースが不足している場合や、口元の突出を大幅に改善したい場合には、抜歯を伴う歯の矯正が選択されることがあります。
抜歯によって生まれたスペースを利用することで、前歯を大きく後方に移動させることが可能になります。
このため、非抜歯の矯正に比べて口元の後退量が大きくなり、横顔の変化もより顕著に現れる傾向があります。
特にEラインの改善を強く望む場合は、抜歯矯正が有効な選択肢となることが多いです。
横顔の美しさの基準となる「Eライン」とは?
横顔の美しさを客観的に評価する際、一つの基準として「Eライン」が用いられます。
これは、自分の横顔のバランスが整っているかを判断するための目安であり、歯科矯正の治療計画を立てる上でも参考にされることがあります。
Eラインと唇の位置関係を確認することで、口元の突出度合いを評価し、理想的な横顔に近づけるための治療目標を設定するのに役立ちます。
鼻先と顎の先端を結んだラインのこと
Eラインとは、顔を横から見た際に、鼻の先端と顎の最も突出した部分を直線で結んだラインを指します。
このEラインは、横顔の審美的なバランスを評価するための指標として世界的に広く用いられており、自分のフェイスラインが理想的なバランスに近いかどうかを簡易的にチェックすることができます。
マウスピース矯正で期待できる横顔の3つのポジティブな変化
マウスピース矯正は歯並びを整えるだけでなく、顔全体の印象にも良い変化をもたらすことがあります。
ここでは、矯正治療によって期待できる代表的な3つのポジティブな横顔の変化について解説します。
突出した口元が下がり、すっきりとした印象になる
マウスピース矯正で最も大きな変化が期待できるのは、突出した口元の改善です。
特に前歯が前方に出ている、いわゆる「出っ歯」の状態では、歯を後方に移動させることで唇の位置も自然と下がり、横顔のシルエットが整います。
口元の突出感がなくなることで、もっこりとした印象が解消され、洗練されたすっきりとした横顔になります。
この変化は、鼻から口元、顎へのラインを美しく見せる効果があります。
噛み合わせ改善でエラの張りが目立ちにくくなる
噛み合わせが悪いと、食事の際に使う筋肉(咬筋)に偏った負担がかかり、過剰に発達してしまうことがあります。
この咬筋の発達が、エラが張って見える原因の一つです。
マウスピース矯正によって噛み合わせが正しい位置に導かれると、顎周りの筋肉がバランス良く使われるようになり、特定の筋肉への負担が軽減されます。
その結果、咬筋の過度な緊張が和らぎ、フェイスラインがシャープになることでエラの張りが目立ちにくくなる効果が期待できます。
唇が自然に閉じやすくなり、口周りの緊張が和らぐ
出っ歯などで口元が突出していると、意識しないと口が開いてしまいがちです。
無理に唇を閉じようとすると、下顎の筋肉(オトガイ筋)に力が入り、顎先にシワが寄ってしまうことがあります。
矯正治療で口元が下がると、力を入れなくても自然に唇を閉じられるようになります。
これにより、口周りの不自然な緊張が解け、リラックスした表情になるため、顔が変わるという印象を受けることがあります。
マウスピース矯正で横顔の変化を実感しやすい人の特徴
マウスピース矯正による横顔の変化の度合いは、元の歯並びの状態によって大きく左右されます。
すべての人に同様の効果が現れるわけではなく、特定の不正咬合を持つ場合に、より顕著な変化を実感しやすい傾向があります。
例えば、前歯が大きく前に傾いているケースや、歯が重なり合って生えている八重歯など、歯の移動量が多くなる症例では、顔つきの変化も大きくなりやすいです。
ここでは、特に変化を実感しやすい人の特徴を解説します。
前歯が大きく前に出ている「出っ歯(上顎前突)」の人
上の前歯が標準的な位置よりも大きく前方に突出している「出っ歯(上顎前突)」の人は、マウスピース矯正による横顔の変化を最も実感しやすいタイプと言えます。
矯正治療によって前歯を後方に移動させることで、突出していた口元が大きく内側に収まります。
これにより、Eラインが劇的に改善され、横から見たときのシルエットが美しく整います。
口元がすっきりすることで、顔全体の印象も大きく変わる可能性があります。
下の顎が前に出ている「受け口(反対咬合)」の人
下の前歯が上の前歯よりも前方で噛み合っている「受け口(反対咬合)」の人も、矯正治療による横顔の変化を感じやすいです。
下の歯列を後方に移動させ、正しい噛み合わせにすることで、下顎が突出して見えていた印象が改善されます。
これにより、特有のしゃくれたような輪郭が和らぎ、横顔のバランスが整います。
硬く、不機謙に見えがちだった表情が、より柔和な印象に変わる効果も期待できます。
歯を並べるスペース確保のために抜歯が必要な人
歯が重なり合って生えている叢生や八重歯のように、顎の大きさに比べて歯が大きく、きれいに並ぶためのスペースが不足しているケースでは、抜歯を伴う矯正治療が必要になることがあります。
抜歯によって確保されたスペースを利用して前歯を大きく後退させることができるため、口元の突出感が大幅に改善されます。
非抜歯のケースに比べて歯を動かす距離が長くなる分、横顔の変化もより大きくなる傾向にあります。
要注意!マウスピース矯正で顔つきが悪化するって本当?噂の真相を解説
マウスピース矯正を検討する中で、「ほうれい線が深くなる」「顔が長くなる」といったネガティブな情報を耳にし、不安に思う方もいるかもしれません。
これらの顔つきの変化は、治療過程で一時的に起こる場合や、特定の条件下で見られることがあります。
しかし、必ずしもすべての人に起こるわけではありません。
ここでは、矯正治療で顔つきが悪化するとされる現象の真相とその理由について解説します。
ほうれい線が一時的に目立つことがある理由
出っ歯の矯正などで口元が大きく後退すると、これまで歯によって内側から支えられていた頬の皮膚や脂肪にたるみが生じ、一時的にほうれい線が深くなったように感じることがあります。
これは、特に抜歯を伴う矯正で口元の変化が大きい場合に起こりやすい現象です。
しかし、治療が完了し、顔の筋肉が新しい歯並びや噛み合わせに適応してくると、徐々に目立たなくなるケースがほとんどです。
また、矯正中に口周りの筋力が低下し、顔が長くなるように見えることも一因として考えられます。
噛み合わせの変化で顔が伸びたように感じるケース
噛み合わせが極端に深い「過蓋咬合」という歯並びの場合、矯正治療によって正しい高さに噛み合わせを調整します。
この過程で、これまで低くなっていた奥歯の噛み合わせが高くなるため、結果として鼻の下から顎先までの距離(下顔面)がわずかに長くなることがあります。
これが「顔が長くなる」と感じる原因です。
しかし、これはアンバランスだった顔の比率が正常な状態に近づくための変化であり、審美的に見て良い結果をもたらすことが大半です。
頬がこけて老けた印象になるのを防ぐ方法
矯正中は装置の違和感や歯が動く痛みで食事がしにくくなり、一時的に食事量が減ったり、柔らかいものばかりを選んだりすることがあります。
これにより体重が減少したり、噛む筋肉(咬筋)や表情筋が衰えたりして、頬がこけて見えてしまうことがあります。
これを防ぐためには、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
また、意識的に口周りの筋肉を動かすエクササイズを取り入れることで、筋力の低下を防ぎ、頬がこけて老けた印象になるのを予防できます。
まとめ
マウスピース矯正は、歯並びを美しく整えるだけでなく、突出した口元を後退させ、横顔のEラインを改善する効果が期待できます。
特に、出っ歯や受け口の方、また抜歯を伴う矯正を行う方は、その変化を実感しやすい傾向にあります。
ただし、変化の度合いは個人の歯並びや骨格に大きく依存し、骨格的な問題が原因の場合はマウスピース矯正だけでの改善は難しいこともあります。
後悔のない治療にするためには、治療開始前に3Dシミュレーションで変化の予測を確認し、医師と理想のゴールを共有することが不可欠です。
また、治療によって得られた美しい横顔を維持するためには、治療後の保定装置(リテーナー)の使用が極めて重要です。
記事監修 医療法人祐愛会「西村歯科」 西村 有祐
■ 略歴
- 朝日大学歯学部 卒業
■ 所属学会・資格
- 日本口腔インプラント学会JSOI専修医
- 日本訪問歯科協会認定医
- 日本歯周病学会 会員
- 日本障害者歯科学会 会員
- 日本訪問歯科協会 会員
- 日本歯科保存学会 会員
■ 著書
- 『よみがえる青春のかみごこち』 国際臨床出版社
- 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューの進め方』 日本訪問歯科協会
- 『訪問歯科診療 アドバンスプログラム』DVD内著書 日本訪問歯科協会
- 『補綴とデンチャーへのリマインダー』DVD教材収録 日本訪問歯科協会



