不正咬合は保険適用で治療できる?
歯並びや噛み合わせの悪さ(不正咬合)を保険適用で治療したいとお考えではありませんか?
不正咬合の治療が保険適用となる症例は存在しますが、病気として認められている症例に限ります。
本コラムでは不正咬合の治療で保険適用となるケースをわかりやすく解説します。医療費控除が利用できるケースや矯正治療の費用相場について把握できるため、ぜひご参考にしてください。
不正咬合の治療は一部を除き保険適用外
不正咬合を治すための矯正治療は、基本的に自費診療です。保険は身体機能や健康に影響がある疾患を治療する場合にのみ適用されます。見た目を良くするために矯正治療を受ける場合は、保険適用外となるため注意してください。
例えば、すきっ歯や出っ歯が気になり、見た目を改善するために矯正治療を受けるケースは保険が適用されません。
しかし、歯並びや噛み合わせが原因で健康が損なわれており、歯科医師が治療の必要があると診断した際は保険が適用される可能性があります。
また、矯正治療を受ける医療機関も定められています。保険適用内の治療を受ける場合は、歯科医院が「厚生労働大臣が定めた基準を満たしており、地方厚生(支)局長に届け出ている保険医療機関」に該当する必要があります。
当院は上記に該当する保険医療機関のため、不正咬合の保険適用症例にも対応可能です。保険適用の可否がわからない方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
【不正咬合】保険適用で治療できる3つのケース
不正咬合の治療で保険適用となるのは以下の3つのみです。
・厚生労働大臣が定める疾患に起因する咬合異常を治療するケース
・永久歯の萌出不全が原因の咬合異常を治療するケース
・顎変形症を治療するケース
それぞれの症例について解説します。
厚生労働大臣が定める疾患に起因する咬合異常を治療するケース
生まれつきの疾患が原因で、歯並びや噛み合わせに異常がある場合は、保険で矯正治療が受けられます。ただし、先天性疾患として認められるのは、厚生労働大臣が取り決めた65の疾患と、そのほかの顎・口腔の先天異常のみです。
例えば、唇や口蓋に割れ目がある状態で生まれる「唇顎口蓋裂(がくこうがいれつ)」や、歯が正常に形成されない「骨形成不全症」などの疾患が該当します。
65の疾患以外の先天異常とは、生まれつき顎・口腔に奇形や変形がある疾患を指します。顎・口腔の構造が原因で不正咬合となっているケースで、歯科医師が治療の必要があると診断した場合は、保険が適用される場合があります。
永久歯の萌出不全が原因の咬合異常を治療するケース
萌出(ほうしゅつ)不全とは、生まれつき歯が正常に生えてこない疾患です。矯正治療においては、永久歯萌出不全が原因で不正咬合となっている場合の治療に保険が適用されます。
永久歯萌出不全は大人になっても永久歯が生えない状態を指し、前歯・小臼歯が3本以上生えず不正咬合となっているケースです。前歯は正面から左右それぞれ3本目まで、小臼歯は4・5本目を指します。
歯茎に歯が埋まったまま出てこず、永久歯萌出不全となっている場合は、歯を露出させるために切開手術が必要です。手術を要するケースは保険で治療できます。
顎変形症を治療するケース
顎変形症とは、上下の顎骨がずれていたり、顎骨の影響で顔のバランスが悪かったりするために、不正咬合が起こる疾患です。
顎変形症になると、発音しにくい言葉があったり、口を閉じにくかったりする症状が表れます。成長するにつれて顎変形症の症状が表れるケースも少なくありません。歯並びや噛み合わせの矯正治療だけで症状が改善しない場合は、外科治療が必要になる場合もあります。
顎変形症の外科治療では、顎の骨を切断し、骨格のバランスを整える手術などを行います。外科手術が必要な顎変形症の場合は、保険で矯正治療が可能です。
不正咬合の治療にかかる費用の相場
不正咬合の矯正治療にかかる費用は自費診療の場合、800,000〜1,000,000円程度です。ただし、矯正方法や治療内容によって費用が異なります。
当院における矯正治療の流れや費用内訳は以下のコラムをご参考にしてください。
当院で行う矯正治療の費用内訳
保険以外で費用負担を軽減する方法は以下の通りです。
・分割払い
・デンタルローン
・医療費控除
分割払いやデンタルローンを利用すると月々の負担が軽減できます。歯科医院によって利用できる支払い方法が異なるため、治療開始前に確認してみましょう。
また、保険で治療が受けられないケースでも、医療費控除制度を利用できる場合があります。しかし、制度の利用には条件があるため、次の章で詳しく解説します。
医療費控除が適用できるケース
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が、100,000円を超える場合に所得控除を受けられる制度で、確定申告が必要です。
保険適用にならない治療でも、医療費控除を利用できるケースがあります。歯科医院で医療費控除の対象となる治療は以下の通りです。
・人工歯、入れ歯の治療
・インプラント埋入治療
・矯正歯科治療
ただし、審美性を高めるための治療は、医療費控除の対象になりません。
医療費控除の対象になる治療については、以下のコラムで詳しく紹介しています。
医療費控除とは
当院は、高額になりがちな矯正治療の不安や疑問を解消するため、患者さまとのカウンセリングを大切にしています。堺市で矯正治療が受けられる歯科医院をお探しの方は、ぜひ当院にご相談ください。
Q1:不正咬合は治療すべきですか?
A1:はい。歯並びや噛み合わせの乱れは、口腔内だけでなく全身に影響し、頭痛や肩こりにつながる場合があります。
詳細は以下のコラムをご覧ください。
不正咬合が全身に及ぼす影響
Q2:医療費控除の対象は治療費のみですか?
A2:矯正治療のためにかかった通院費も医療費控除の対象です。公共交通機関を使って通院する場合は、金額がわかるものを保管しておきましょう。また、デンタルローンも医療費控除の対象です。