矯正装置で金属アレルギーが出る?
歯科矯正では、歯に金属の矯正装置を取り付けて行なうのが一般的です。そのため、すでに金属アレルギーをお持ちの方は、矯正治療ができないのではないかと心配されることでしょう。また、矯正治療を行なうことによって、金属アレルギーになってしまうのではないかと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしひとくちに金属アレルギーといっても、様々な金属があり、どの金属にアレルギー反応をしてしまうのかは個人によって異なります。矯正装置で金属が使われているのは、ブラケットという小さなボタンのようなものとワイヤーです。ブラケットをそれぞれの歯の中心部に取り付けて、それにワイヤーを通して、引っ張ることによって歯を動かし、歯列を整えるというのが矯正治療の仕組みです。
ブラケットとワイヤーには、一般的にニッケル、クロム、コバルトが使われていることが多いですので、これらの金属アレルギーをお持ちの方は注意が必要であり、他の材質を使った矯正装置を使用する必要があります。例えば、チタン合金のブラケットです。ニッケル等と比較し、アレルギー反応がない金属で、インプラント治療にも使われています。
また、金属を使用していないセラミックブラケットもおすすめです。白い素材なので、金属アレルギーの心配がないことはもちろんのこと、歯に馴染む色なので目立たないというメリットもあります。ワイヤーの材質も金属ではないものを選択することが可能です。チタン合金のものやニッケルフリーのものがあります。
次に、矯正治療をすることで、金属アレルギーになってしまうのではないかという心配についてです。正しくは矯正治療で金属装置を使うことで自分が金属アレルギーであることに気づくことがあります。ネックレスやピアスなどの金属を使ったアクセサリーを普段あまり身につけない方は、金属に触れる機会が少ないために、自分が金属アレルギーかどうか気づきにくいです。そのため、矯正治療を始める前に金属アレルギーのテストを行なっておくと安心して矯正装置を選択できます。
記事監修 医療法人祐愛会「西村歯科」 西村 有祐
 
		■ 略歴
- 日本歯科大学新潟歯学部 卒業
■ 所属学会・資格
- 日本口腔インプラント学会JSOI専修医
- 日本訪問歯科協会認定医
- 日本歯周病学会 会員
- 日本障害者歯科学会 会員
- 日本訪問歯科協会 会員
- 日本歯科保存学会 会員
■ 著書
- 『よみがえる青春のかみごこち』 国際臨床出版社
- 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューの進め方』 日本訪問歯科協会
- 『訪問歯科診療 アドバンスプログラム』DVD内著書 日本訪問歯科協会
- 『補綴とデンチャーへのリマインダー』DVD教材収録 日本訪問歯科協会





