マルチブラケット矯正のデメリット
最もメジャーな矯正方法であるマルチブラケット矯正ですが、デメリットも存在します。今回はマルチブラケット矯正を検討されている方向けに、デメリットとされている点についてご説明します。
まずは矯正器具が目立つという点です。会話や食事をしていて、口を開けるときに矯正器具が見え、矯正していることが周囲の人に知られてしまいます。歯の表側に矯正器具をつけると見えやすいですし、その器具が金属の場合はさらに目立ちます。矯正治療をしていることは恥ずかしいことではありませんが、何となく視線が気になる方もいらっしゃるでしょう。接客業や営業などの仕事で見た目に気を使いたいと考える方にとってはネックとなるかもしれません。
次に発音がしづらくなる場合があることが挙げられます。マルチブラケット矯正は歯の裏側に装着することも可能ですが、慣れるまでしばらくの間は発音がしにくくなります。私たちは舌を歯の裏側につけたり、離したりして発音します。日本語の場合、サ行やタ行を発する際に舌が器具にあたって発音しづらくなる傾向にあり、英語を日常的に使っている方は、さらに英語で発音しづらい音が多くなります。多くの方は1~2週間ほどで慣れ、以前のように話せるようになりますが、その期間に困ってしまう方もいらっしゃるでしょう。そして、矯正治療後に保定装置を取り付ける期間も同様に発音に影響が出ます。
最後に、ワイヤーやブラケットなどの器具の隙間のケアの手間がかかる点です。ワイヤーやブラケットを装着していると、その隙間に汚れが溜まりやすいのです。そのため、しっかりとケアをしないと虫歯や歯周病のリスクが高まるので注意しましょう。もし、虫歯や歯周病になってしまうと、矯正治療を中断してそれらの治療が必要です。歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやワンタフトブラシなどのオーラルケア用品を活用し、ワイヤーと歯の隙間やブラケットの周り、歯と歯の隙間や歯と歯茎の隙間など細かいところまで注意して、汚れを落としましょう。
記事監修 医療法人祐愛会「西村歯科」 西村 有祐
■ 略歴
- 日本歯科大学新潟歯学部 卒業
■ 所属学会・資格
- 日本口腔インプラント学会JSOI専修医
- 日本訪問歯科協会認定医
- 日本歯周病学会 会員
- 日本障害者歯科学会 会員
- 日本訪問歯科協会 会員
- 日本歯科保存学会 会員
■ 著書
- 『よみがえる青春のかみごこち』 国際臨床出版社
- 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューの進め方』 日本訪問歯科協会
- 『訪問歯科診療 アドバンスプログラム』DVD内著書 日本訪問歯科協会
- 『補綴とデンチャーへのリマインダー』DVD教材収録 日本訪問歯科協会



