マルチブラケット矯正で後悔しないために知っておきたいこと

2025.05.22 マルチブラケット矯正

マルチブラケット矯正は、幅広い症例に対応できる矯正方法です。一方で、治療には時間や費用がかかるため「治療を始めてから後悔したくない」と感じる方が多いのではないでしょうか。
マルチブラケット矯正で後悔しないためにはメリットとデメリットを把握し、リスクもしっかり理解しておく必要があります。
本コラムでは、マルチブラケット矯正のメリットとデメリットを解説し、後悔しないために重要な歯科医院の選び方も紹介します。治療中や治療後のリスクがわかり、納得して矯正治療を受けられるようになるため、ぜひご参考にしてください。

マルチブラケット矯正の特徴

マルチブラケット矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を少しずつ動かす矯正治療です。歯並びや噛み合わせを改善するために広く用いられています。
この章では、マルチブラケット矯正のメリットとデメリットを解説します。

マルチブラケット矯正のメリット

マルチブラケット矯正の大きなメリットは以下の2つです。

・幅広い不正咬合に対応できる
・歯の動きを精密にコントロールできる

マルチブラケットは、長い歴史を持つ矯正方法であり、軽度から重度までの幅広い不正咬合を治療可能です。重度の叢生や出っ歯などの複雑な症例にも柔軟に対応できます。一方で、マウスピース矯正は適用できる症例に限りがあり、重度の場合は対応が難しいケースもあります。
さらに、マルチブラケット矯正はワイヤーの調整により、歯の動きを細かくコントロール可能です。マウスピース矯正では困難な微細な歯の動きも実現しやすく、より正確な仕上がりを目指せます。

マルチブラケット矯正とマウスピース矯正の違いは、以下のコラムをご参考ください。
「マウスピース矯正とワイヤー矯正、結局どちらがいいのか？」

マルチブラケット矯正のデメリット

マルチブラケット矯正には以下のデメリットがあります。

・装置が目立つ
・痛みや違和感が生じやすい
・食事やセルフケアでストレスを感じやすい

症例によってワイヤーを装着する位置は異なります。特に歯の表面に装着する場合は装置が目立つため、周囲の目が気になる方はストレスを感じやすいといえます。
また、マルチブラケット矯正では、治療完了まで矯正装置を外せません。食事やセルフケアは矯正装置を装着したまま行う必要があります。矯正装置に食べ物が挟まりやすく、歯みがきもしにくいため、丁寧なケアが大切です。

マルチブラケット矯正中のケア方法は、以下のコラムをご参考ください。
「マルチブラケット矯正のメンテナンス方法について」

後悔しないための歯科医院の選び方

マルチブラケット矯正を成功させるには、歯科医院選びが重要です。歯科医院を選ぶ際に着目すべき3つのポイントを解説します。

ポイント①｜矯正治療に実績と経験を持つ歯科医師が在籍するか

矯正治療は高度な専門知識と技術を要する分野です。矯正歯科を専門とする歯科医師と、一般歯科診療を中心とする歯科医師とでは、治療経験や対応可能な症例数に違いが生じる場合があります。
マルチブラケット矯正は特に精密な診断と緻密な治療計画が必要となるため、豊富な経験と実績を持つ歯科医師による治療が望ましいといえます。十分な精密検査が行われない場合、予期せぬ結果や治療の失敗につながる恐れがあります。
歯科医師の専門資格やこれまでの治療実績は、歯科医院のホームページで公開しているケースがあるため、事前に情報を確認してください。

ポイント②｜丁寧なカウンセリングが行われているか

矯正治療を始める際は、まずカウンセリングを実施します。カウンセリングでは、治療内容やリスク、費用などについて丁寧に説明してくれるかどうかが、信頼できるクリニックを見極める大切なポイントです。
患者さまの疑問に答えられなかったり、治療費や内容について十分な説明がなかったりする歯科医院の場合は注意が必要です。
矯正治療についての不安や疑問がある場合は、遠慮せず歯科医師に質問してください。納得できる答えが得られるかどうかを確認しましょう。

ポイント③｜通いやすい歯科医院か

矯正治療中は、矯正装置の調整や歯の状態確認のため、定期的な通院が必要です。通いやすさを重視して医院を選ぶとよいでしょう。職場や自宅からのアクセスの良さ、予約の取りやすさなども考慮してください。
さらに、治療を続けるうえで、歯科医師やスタッフとの相性も非常に重要です。相性が悪い場合は通院が億劫になったり、治療そのものをやめたくなったりする可能性があります。
コミュニケーションが取りやすい歯科医院であれば、モチベーションを保ちながら治療を続けやすくなります。
自分に合った歯科医院選びが、矯正治療を成功させるためのポイントです。

治療後に気をつけたいリスクとケア

治療中は虫歯・歯周病のリスクが高くなるため注意が必要です。矯正装置の装着中は歯みがきがしにくくなるため、口腔内の衛生状態が悪化しやすいといえます。虫歯・歯周病を予防するためには、ブラッシング方法や専用の歯ブラシを活用し、定期的な歯科検診を受ける必要があります。
また、矯正装置による治療後の保定期間中も注意すべき点があります。矯正治療後の歯は動きやすい状態のため、安定するまではリテーナーによる保定が必要です。
リテーナーを歯科医師の指示通り装着しないと、歯並びが元に戻る「後戻り」のリスクが高まります。マルチブラケット矯正で後悔しないためには、保定期間中の過ごし方も重要です。

Q1：金属アレルギーの場合でもマルチブラケット矯正を受けられますか？
A1：金属を使用していない装置があります。対応している歯科医院であれば、金属アレルギーの方でも治療可能です。

Q2：保定期間はどのくらいですか？
A2：症例によって異なりますが、保定期間は1〜2年程度です。

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