ワイヤー矯正で口内炎を繰り返す理由|予防と治し方|堺市の矯正歯科「西村歯科」 矯正歯科コラム

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矯正歯科コラム

ワイヤー矯正で口内炎を繰り返す理由|予防と治し方

「ワイヤー矯正を始めてから口内炎が何度もできる…」
「なかなか治らないのは異常?」
と悩んでいませんか?

結論からいうと、ワイヤー矯正中に口内炎を繰り返すのは珍しいことではありません。
ブラケットやワイヤーが頬の内側や唇、舌に当たり続けることで粘膜が傷つき、口内炎ができやすくなるためです。

また、矯正治療中は歯の痛みから食事内容が偏ったり、歯磨きがしにくくなったりすることで、栄養不足や口腔内環境の悪化が起こり、口内炎を繰り返す原因になることもあります。

多くの場合は一時的な症状ですが、痛みが強い場合や何度も同じ場所にできる場合は、装置の調整やセルフケアの見直しが必要かもしれません。

この記事では、

・ワイヤー矯正中に口内炎を繰り返す主な理由
・口内炎を予防するためのポイント
・痛みを和らげる応急処置
・痛みのピーク

について、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。口内炎のストレスを減らしながら、快適に矯正治療を続けるための参考にしてください。

ワイヤー矯正で口内炎ができてしまう主な3つの原因

ワイヤー矯正中に口内炎ができてしまう原因は1つではありません。
主な原因として、矯正装置による物理的な刺激、お口の清掃不良、そして免疫力の低下という3つの要因が考えられます。
これらの原因が複合的に絡み合って、口内炎の発生や悪化につながることがあります。

原因①:矯正装置が頬や舌の粘膜に当たる物理的な刺激

ワイヤー矯正で口内炎ができる最も一般的な原因は、歯に装着したブラケットやワイヤーといった矯正装置が、頬の内側や唇、舌の粘膜に接触し、擦れることによる物理的な刺激です。
特に、矯正を始めたばかりの頃や装置の調整直後は、口内が装置に慣れていないため粘膜が傷つきやすく、口内炎ができやすくなります。

原因②:お口の清掃不良による細菌の繁殖

ワイヤー矯正の装置は構造が複雑なため、歯ブラシが届きにくい箇所が多く、食べかすや歯垢が溜まりやすくなります。
これにより口内細菌が繁殖し、不衛生な状態になります。
口内が不潔な環境にあると、装置の接触でできたわずかな傷から細菌が入り込み、炎症を起こして口内炎の発症や悪化につながるため、日々の丁寧な清掃による予防が不可欠です。

原因③:ストレスや栄養不足による免疫力の低下

矯正治療中の痛みや、食事のしにくさなどが精神的なストレスになることがあります。
また、食事が偏りがちになることで、粘膜の健康維持に必要なビタミンB群などが不足しやすくなります。
こうしたストレスや栄養不足は、体の免疫力を低下させる原因となり、結果として口内炎ができやすく、そして治りにくい状態を招いてしまいます。

【応急処置】今すぐ痛みを和らげたい!ワイヤー矯正の口内炎対処法4選

矯正装置が当たって口内炎が痛む場合、すぐに試せる応急処置があります。
ここでは、ご自身でできる具体的な対策を4つ紹介しますので、辛い症状の緩和にお役立てください。

対処法①:矯正用ワックスで装置が当たる部分を覆う正しい使い方

矯正用ワックスは、ブラケットやワイヤーの端など、粘膜に当たって痛む部分を覆う粘土のような保護材です。
まず、ワックスを貼る装置の部分をティッシュなどで拭いて乾燥させます。
次に、ワックスを米粒程度の大きさに丸め、指で直接痛みのある箇所に押し付けてカバーします。
これにより物理的な刺激を減らせるため、効果的な応急処置になります。

対処法②:市販の口内炎治療薬(塗り薬・パッチ)で患部を保護する

ワイヤー矯正中でも、市販の口内炎治療薬を使用して問題ありません。
患部に直接塗る軟膏タイプや、貼り付けて刺激から保護するパッチタイプなど、様々な種類の薬が販売されています。
これらは患部の炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。
使用する際は説明書をよく読み、用法・用量を守って正しく活用してください。

対処法③:痛みが強い時期は刺激の少ない食事を心がける

口内炎ができて痛い時期は、食事内容を工夫することで症状の悪化を防げます。
熱いもの、香辛料の多い辛いもの、酸味の強いもの、あるいは硬くて何度も咀嚼が必要な食べ物は、患部を刺激して痛みを増強させるため避けましょう。
おかゆやスープ、ヨーグルト、ゼリー飲料など、柔らかく刺激の少ない食事がおすすめです。

対処法④:耐えられない痛みなら歯科医院で装置を調整してもらう

矯正用ワックスや市販薬を使っても痛みが治まらない、食事もできないほど痛みが強いといった場合は、我慢せずに通院している歯科医院に相談しましょう。
特に、調整後にワイヤーの端が飛び出して頬や舌に刺さっているケースでは、装置の調整が必要です。
まずは電話で状況を説明し、指示を仰ぐのが賢明です。

ワイヤー矯正の口内炎はいつまで続く?痛みのピークと慣れるまでの期間

「この痛みはいつまで続くのだろう」と不安に感じる方は多いですが、口内炎の痛みにはピークがあり、時間ととも口内が装置に慣れることで発生頻度は減少していきます。
ここでは、痛みが落ち着くまでの一般的な期間と、体が慣れるまでの過程について解説します。

装置の装着・調整後から1〜2週間程度で痛みが落ち着くのが一般的

ワイヤー矯正による口内炎の痛みは、装置を初めて装着した時や、ワイヤー交換などの調整を行った直後がピークになる傾向があります。
多くの場合、口の中の粘膜が装置の刺激に順応していくため、装着・調整後から1〜2週間程度で徐々に痛みは落ち着き、口内炎もできにくくなります。
いつまで続くか不安な場合も、まずはこの期間を目安に様子を見てみましょう。

体が慣れるまでは口内炎を繰り返しやすい

口の中の粘膜が装置の硬さや凹凸に完全に慣れるまでは、どうしても口内炎ができたり治ったりを繰り返しやすい時期が続きます。
これは、粘膜が刺激に負けて傷つき、治癒する過程で少しずつ強くなっていくためです。
口内炎を繰り返すことは、体が装置に慣れるために必要なプロセスの一部と捉え、焦らず対処していくことが大切です。

【繰り返さないために】ワイヤー矯正中にできる口内炎の予防策

できてしまった口内炎への対処も重要ですが、それ以上に大切なのが、そもそも口内炎をできにくくするための予防です。
日々のセルフケアや生活習慣を見直すことで、口内炎の発生リスクを大幅に下げることが可能です。ここでは、今日から実践できる具体的な予防策を紹介します。

丁寧な歯磨きで口内を清潔に保ち細菌の増殖を防ぐ

口内炎の基本的な対策は、口内を常に清潔な状態に保つことです。
矯正装置の周りは特に汚れが溜まりやすいため、通常の歯ブラシに加えて、毛束の小さなタフトブラシや歯間ブラシを使い、装置の隙間まで丁寧に磨きましょう
細菌の増殖を抑えることで、粘膜にできた小さな傷からの感染を防ぎ、口内炎の発症を抑制できます

粘膜の健康を保つビタミンB群などを食事から摂取する

口内炎の予防には、体の内側からのケアも欠かせません。
特に、皮膚や粘膜の健康を維持し、修復を助ける働きのあるビタミンB2やビタミンB6を積極的に摂取することが推奨されます。
これらの栄養素は、レバー、うなぎ、卵、納豆などに豊富に含まれています。
バランスの取れた食事を心がけ、粘膜を強くする予防を実践しましょう。

十分な睡眠をとり免疫力を維持する

睡眠不足や過労は、体の免疫力を低下させる大きな要因です。
免疫力が下がると、細菌に対する抵抗力が弱まり、口内炎ができやすくなるだけでなく、治りも遅くなってしまいます。
口内炎の予防のためには、日頃から規則正しい生活を送り、十分な睡眠時間を確保して、心身の健康を維持することが非常に重要です。

これから矯正を始める方へ|ワイヤー矯正とマウスピース矯正の口内炎リスク

これから歯列矯正を検討している方にとって、口内炎のリスクは気になる点の一つでしょう。
矯正方法にはワイヤー矯正のほかにもマウスピース矯正などがあり、それぞれ口内トラブルの発生しやすさに違いがあります。
ここでは、2つの代表的な矯正方法における口内炎リスクについて比較します。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正はどちらが口内炎になりやすい?

一般的に、口内炎のリスクはワイヤー矯正の方が高いとされています。
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットという凹凸のある装置を装着するため、粘膜に当たりやすく物理的な刺激を与えがちです。
一方、マウスピース矯正は表面が滑らかな装置で歯全体を覆うため、口内を傷つけるリスクが低くなります
ただし、マウスピースの縁が歯茎に当たったり、アタッチメントが原因で口内炎ができないわけではありません。

ワイヤー矯正と口内炎に関するよくある質問

ワイヤー矯正と口内炎に関して、多くの方が抱く疑問についてお答えします。
矯正用ワックスの入手方法や、食事が困難な場合の対処法、もともと口内炎ができやすい体質の方の矯正治療について解説しますので、同じような悩みを持つ方はぜひ参考にしてください。

矯正用ワックスはどこで購入できますか?

矯正用ワックスは、基本的に治療を受けている歯科医院で受け取れます。
もし足りなくなっても、多くの医院では追加で提供されたり、受付で購入したりすることが可能です。
また、近年では一部のドラッグストアや大型のオンラインストアでも市販されています。
まずは通院中の歯科医院に相談するのが確実です。

口内炎が痛すぎて食事がとれないときはどうすればいいですか?

痛みが強く食事ができない場合は、無理に固形物を摂る必要はありません。
おかゆやスープ、ヨーグルト、ゼリー飲料など、あまり噛まずに栄養を摂取できるものを選びましょう。
市販の口内炎パッチで患部を保護するのも有効です。
それでも痛みが改善せず、食事が困難な状況が続くなら、我慢せずに歯科医院へ連絡してください。

もともと口内炎ができやすい体質でもワイヤー矯正は可能ですか?

はい、もともと口内炎ができやすい体質の方でも歯列矯正は可能です。
ただし、矯正装置の物理的な刺激により、通常よりも口内炎が発生する頻度が高くなる可能性は考えられます。
カウンセリングの際にその体質を伝え、リスクや対策について事前に歯科医師とよく相談することが重要です。

まとめ

ワイヤー矯正中に口内炎ができてしまうのは、装置の物理的刺激や清掃不良、免疫力の低下が主な原因です。
痛みには矯正用ワックスや市販薬などの応急処置が有効であり、通常は1〜2週間で口内が装置に慣れてきます。
口内を清潔に保ち、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけるといった日々の対策が、口内炎の根本的な予防につながります。
痛みが続く場合は、決して我慢せず歯科医院に相談してください。

記事監修 医療法人祐愛会「西村歯科」 西村 有祐

記事監修 医療法人祐愛会「西村歯科」 西村 有祐

略歴

  • 朝日大学歯学部 卒業

所属学会・資格

  • 日本口腔インプラント学会JSOI専修医
  • 日本訪問歯科協会認定医
  • 日本歯周病学会 会員
  • 日本障害者歯科学会 会員
  • 日本訪問歯科協会 会員
  • 日本歯科保存学会 会員

著書

  • 『よみがえる青春のかみごこち』 国際臨床出版社
  • 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューの進め方』 日本訪問歯科協会
  • 『訪問歯科診療 アドバンスプログラム』DVD内著書 日本訪問歯科協会
  • 『補綴とデンチャーへのリマインダー』DVD教材収録 日本訪問歯科協会

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